雑誌「BRUTUS」で注目される台南
先日、発売された日本の雑誌『BRUTUS』の台湾特集「台湾で見る、買う、食べる、101のこと。」(2017年8月号)は、台湾でも話題になりました。
BRUTUS(ブルータス) 2017年 8/1号[台湾で見る、買う、食べる、101のこと。]
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2017/07/15
- メディア: 雑誌
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『BRUTUS』は台湾でも知られている雑誌なのですが、表紙に使われた写真が、台湾の庶民的な街並みだったことから、「どうしてこんな写真映えしないところを!?」と、台湾のネット上で議論を呼びました。
写真が撮影されたのは、台南の「國華街」(guó huā jiē) です。
「未使用常見的台灣小吃、台北101、九份等名景做為封面,反而選了充滿在地風情的台南國華街景,引起了熱烈的討論,也讓國華街再度聲名大噪。」
(『BRUTUS』は、よくありがちな台湾の食べ物、台北101、九份といった景勝地を表紙には使わず、あえてローカル色の強い台南國華街の景観を選んだことが、熱い議論を引き起こし、國華街に再び注目が集まることになった。)
「在地風情」は「その土地ならではの風景」といった意味。
「聲名大噪」(shēng míng dà zào) は、「名声が高く、人々の関心を集める」という意味の成語(四字熟語)。
「國華街距離台南火車站騎車約5分鐘,用大眾運輸或是租輛機車來,都挺方便的。多數旅客造訪國華街,最重要的目標就是『吃』。
畢竟台南值得品嘗的小吃實在太多,不少名店就座落於國華街上。」
(國華街は、台南駅からバイクで約5分、公共交通やレンタルスクーターを使っても便がいい。多数の旅行客が國華街を訪れる、もっとも重要な目的は「食」だ。
なにしろ台南には口にしてみるに値する食べ物が実に多く、たくさんの名店が國華街に位置している。)
「挺方便的」(とても便利)の「挺」(tǐng) は、「很」と同じく、形容詞の前に付いて程度を強めるのですが、「挺 __ 的」のように後方に「的」を組み合わせて使われます。
「值得〜」(zhí dé) は、動詞をともなって「〜する価値がある・意義がある」ということを表現します。
また、「不值得〜」(〜する価値はない)と、否定形にもできます。
例:「這裡有什麼值得看呢?」(ここで何か見るべきものがありますか?/ここには見たほうがいいものは何かありますか?)
台南は、台湾の "古都" ですが、「意麵」、「蚵仔煎」、「蝦捲」など数多くの美食で知られています。
「晚來吃不到好料」
(遅く来たら、いい料理は食べられない)
「台南小吃為了配合市場供應,多數的牛肉湯店,都會在周二公休,不少老店也是休周二。」
(台南の食べ物は、市場の営業に合わせて提供されるので、多くの牛肉湯の店は、火曜日が定休だ。老舗の多くも火曜に休む。)
「周二」(zhōu èr) は、「星期二」(火曜日)のこと。日曜なら「週日」。
「還有一些人氣店家,往往還沒開店就已經是大排長龍。此外,許多店家雖有明確的開店時間,但都是每天『售完為止』。」
(人気のある店には、開店前からすでに長い行列ができてることもしばしば。たいていの店は営業時間が決まってはいるものの、毎日「完売につき閉店」になる)
以上の文章には「多數」、「不少」、「許多」の類似表現が出てきますが、いずれも「多くの、たくさんの」という意味です。
「售完為止」(shòu wán wéi zhǐ) は「完売したら終わり」のことですが、この4文字だけだと、日本語なら貼り紙などで「完売御礼」と書いているような感じです。
もっと話し口調っぽくするなら「賣完就沒有了」という言い方もできます。
もし夜まで開いている店だったとしても、その日の分が売り切れてしまえばそれまで。
また台南には、早朝、まだ暗い時間から営業開始する有名店もあります。
台南のグルメを堪能したければ、とにかく早起きすること、それから行列に並ぶことの忍耐が必要です。
《このニュースの用語》
封面 (fēng miàn) カバー、表紙、
租 (zū) 貸し出す、レンタル
畢竟 (bì jìng) やはり、何と言っても、結局は
品嘗 (pǐn cháng) 試食する、口にしてみる
往往 (wǎng wǎng) 往往にして、しばしば
大排長龍 (dà pái cháng lóng) 長蛇の列